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母乳育児の悩み

お母さまや赤ちゃんが病気の時の授乳

おすすめの記事: 7 min.

お母さまや赤ちゃんが体調不良の場合、授乳をしても大丈夫かどうか迷うかもしれません。でも大丈夫です。病気の時の授乳はお二人にとってたくさんのメリットがあります。詳細は以下をお読みください

母乳育児をしている場合、そもそも赤ちゃんが病気にかかりにくいことをご存知でしたか? 完全に病気にかからなくなるわけではありませんが、母乳の保護的性質とは、母乳育児の赤ちゃんの方が粉ミルクの赤ちゃんよりも体調を悪くする頻度が少なく1、早く回復する傾向が高いことを意味します。

母乳には抗菌成分と抗ウイルス成分が含まれています2 。母乳育児をしている期間の長さに応じて、お母さまは赤ちゃんが風邪やインフルエンザ、耳や呼吸器の感染症、体調不良、および下痢になるリスクを低下させます1 。科学者たちは結膜炎からがんに至るまでの病気の治癒に対する母乳の潜在力さえ研究しています3,4

病気の赤ちゃんに直接授乳をするべきですか?

はい。病気の赤ちゃんに直接授乳することは、赤ちゃんを慰めるのに役立つだけでなく、赤ちゃんが早く回復する最高のチャンスになります。母乳には感染症と闘い、治癒に役立つ可能性がある抗体、白血球、幹細胞、および保護機能をもった酵素が含まれています1,5,6 。母乳はビタミンと栄養素のバランスが常に調整されており、赤ちゃんができるだけ早く回復するようにサポートします。また、お母さまと赤ちゃんの両方にとって、治るまでの日数と通院回数が少なくなるということでもあります7

「赤ちゃんの具合が悪い場合、直接授乳は赤ちゃんに必要なものすべてをもたらします。直接授乳は食べ物、飲み物としてだけではなく、良薬でもあり、そして赤ちゃんを安心させることもできます。」 赤ちゃんにとっては世界中で最高のものです」と、イギリスを拠点とする巡回保健師兼看護師のSarah Beesonは言います。

驚くことに、母乳の成分は赤ちゃんが病気になると変化します。お母さまが細菌感染やウイルス感染にさらされた場合、お母さまの身体はこれらと闘うために抗体を作り、 今度はこの抗体が母乳を通じて赤ちゃんに運ばれます8 。赤ちゃんの具合が悪い時は、母乳に含まれる白血球と呼ばれる免疫を高める細胞のレベルも急速に上昇します5

また母乳は非常に消化しやすいため、おなかの調子が悪い赤ちゃんにとって理想的な食べ物でもあります。

「娘は12か月の時にノロウイルスに感染し、娘がもどさないでいられるのは母乳だけでした」と、スペインの2児の母、Mayaは思い出しながら話してくれました。「直接授乳は一日に一回、就寝時だけに減らしていましたが、娘に再び頻繁に直接授乳することになったので、需要と供給の効果により、 なんと48時間以内で、たくさんの母乳を分泌できるようになっていて驚きました! おかげで娘は点滴を受けずに済みました。」

赤ちゃんが病気の時は直接授乳の方法を変える必要があるかもしれないことを心に留めておいてください。例えば、風邪をひいている赤ちゃんは、心地よさのために、そして鼻がつまっていておっぱいに長く吸いつくことが難しいために、もっと頻繁に、でも短時間で飲みたがるかもしれません。鼻がつまっている場合、赤ちゃんは縦抱きで授乳することも好むかもしれません。そのため、様々な授乳姿勢を試してみることも良いでしょう。

直接授乳できないほど赤ちゃんの具合が悪そうな場合はどうすればよいですか?

赤ちゃんが本当に具合が悪い場合、時には食欲やおっぱいを飲む体力がないかもしれません。赤ちゃんに飲ませるのに苦労する場合は、赤ちゃんが脱水症状になるのを防ぐために医療従事者、ラクテーション・コンサルタント、または母乳育児の専門家にご連絡ください。

こういう場合は、さく乳して、赤ちゃんにシリンジ、カップ、またはお母さまが赤ちゃんが最も苦労せずに飲むことができる方法で母乳をあげることをアドバイスします。通常授乳するタイミングでさく乳することにより、お母さまの母乳の分泌量を維持することもできます。

赤ちゃんの健康や母乳摂取量について心配な点がある場合は、すぐに医療機関を受診するようにしてください。

私が病気の時でも直接授乳できますか?

授乳する気分ではないかもしれませんが、ほぼすべての一般的な病気の場合、母乳育児は続けた方がよいです。お母さまが風邪やインフルエンザ、発熱、下痢、嘔吐、または乳腺炎にかかった場合でも、通常どおり授乳を続けてください。赤ちゃんが母乳を通じて病気になることはありません。実際は、母乳に赤ちゃんが同じ病気になるリスクを下げる抗体が含まれるようになります。

「安全なだけではなく、病気の時の直接授乳は非常に好ましいことです。赤ちゃんはすでにお母さまと頻繁に接触していて、一日分の用量の保護機能を持った抗体を母乳から摂取しているため、実はおなかの調子が悪かったり風邪を引いているお母さまと一緒に病気になる可能性が最も低い人です」と、Sarah Beesonは言います。

しかし、病気にかかりながら直接授乳を続けることは非常に疲れる可能性があります。お母さまが赤ちゃんの面倒をみることができるように、お母さまはご自身の体調管理をする必要が出てきます。お母さまの身体は十分な休息を必要としていますので、食べられるときに食べ、水分もきちんと取ってください。可能であれば赤ちゃんの世話は家族や友達に頼んで、お母さまは数日間はソファーなどで赤ちゃんに寄り添い回復に集中できるようにしてください。

「母乳は出続けますので、心配はしないでください。乳腺炎になるリスクを冒すことになるため、直接授乳を突然やめることだけはしないでください」と、Sarahは付け加えます。

病気をうつすリスクを最小限に抑えるには良い衛生状態が重要です。赤ちゃんへの授乳、食べ物の準備と食事、トイレ、おむつ替えの前後は石けんで手を洗ってください。咳やくしゃみの時はティッシュを当てるようにして、持っていない場合は腕を曲げた部分(手ではなく)を当て、咳やくしゃみをした後と鼻をかんだ後は必ず手を洗うか消毒してください。

授乳中は薬を飲んでも大丈夫ですか?

病院スタッフ関係者と話し合い、服用指示に従うのであれば、授乳中にパラセタモール、イブプロフェン、または一部の抗生物質を飲んでも大丈夫です9,10。イブプロフェンは喘息持ちのお母さまには禁忌であることを忘れないでください。

従来、お母さま方はアスピリンを避けるよう言われていましたが、最近の研究では少量の服用は授乳中でも安全である可能性が高いことが示されています11。しかし、多量の服用は乳児のライ症候群と呼ばれる稀ですが深刻な病気に繋がるため12、アスピリンの使用については担当の医療従事者と話し合うことがベストです。

コデインやトラマドールなどの強力な処方鎮痛剤は推奨されません10。ガイドラインや推奨事項は常時更新されるため、心配な点がある場合は担当の医療従事者または薬剤師が具体的な薬に関する詳細な情報を提供することができます。

一部の風邪、インフルエンザ、咳止めの薬には充血除去薬または去痰薬が含まれており、これらによって母乳の供給量が減ることもあります。成分にフェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、グアイフェネシンが記載されている薬は避けてください9 。眠気を引き起こす薬も授乳している間は避けた方がよいです。

「パッケージを確認し、それでも不明な点がある場合は医療従事者に聞いてください」と、Sarahはアドバイスします。「また、赤ちゃんが早産、低出生体重、または疾患をもって生まれた場合は、たとえパラセタモールであっても、授乳中に薬を飲む前に確認してください。」

「医師または薬剤師のところへ行く時は、その理由に関わらず、必ずご自身が母乳育児をしていることを明確にし、最適な選択肢を求めてください」と、Sarahは付け加えます。

長期的な治療についてはどうですか?

お母さまが糖尿病、喘息、うつ病、またはその他の慢性疾患の長期的な治療を受けている場合、母乳育児のメリットはそのリスクを上回ります。「稀な病気を除いて、多くの場合、ほぼすべての病気で母乳育児は可能です」と、Sarahは言います。「お母さまはご自身の常用薬に詳しくなるでしょうし、妊娠中に担当の医師や専門家とそれについてぜひ相談してください。様々な薬に関してすべての病院スタッフ関係者が利用することができるガイダンスがあります。いずれにしても、この問題については担当の医師または病院スタッフ関係者とぜひ話し合ってください。

「私はてんかんの高用量の薬物治療を受けていましたが、それでも母乳育児は可能でした」と、イギリスの1児の母、Nicolaは言います。「息子の安全と私の発作リスクを抑えることのバランスをとるために、私は担当の神経科医にモニタリングしてもらっていました。発作は睡眠不足によって引き起こされる場合があり、私は昼も夜も授乳していましたが、自分で自分を大切にケアし、夫もそうしてくれました。有意義な経験になりました。」

入院しなければならない場合はどうすればよいですか?

お母さまが必要としている治療が計画的か緊急かに関わらず、赤ちゃんが母乳のメリットを受け続けられる方法はあり、退院した後にお母さまが母乳育児を続けることができます。

「赤ちゃんのお世話をする人が赤ちゃんに母乳をあげられるように、さく乳してその母乳を冷凍してください。早めに練習し、予約時と、入院する時にもう一度、ご自身が母乳育児中の母親であることを医療従事者に確実に伝えてください」と、Sarahは提案します。

「赤ちゃんが小さい場合は、病院が赤ちゃんをお母さまのそばにいさせてくれるかもしれません。」 お母さまが相談できる病院のラクテーション・コンサルタントまたは母乳育児の専門家がいるかどうかも聞いてください。こうした人たちは、お母さまが一般病棟にいる場合は特に強力な支援者になります。緊急の場合は、病院スタッフ関係者に赤ちゃんがいることを確実に知らせ、あらかじめ考慮してもらえるようにてください。」

局所麻酔または全身麻酔で手術を受ける場合でも、お母さまが母乳育児をやめる、または母乳を「さく乳して捨てる」必要があるというわけではありません。手術後に赤ちゃんを抱っこできるほど具合が良くなるまでには、母乳に含まれる麻酔の量は最小限になっており、ほぼ授乳しても安全な状態です10 。しかし、このような状況の時も、医療従事者、ラクテーション・コンサルタント、または母乳育児の専門家のアドバイスを受けてください

直接授乳をすべきではありませんか?

母乳育児を一時的に中止し、母乳量を維持するため治療が完了するまでさく乳して母乳を捨てることが最も安全である場合がわずかにあります。こうした状況には、がん、乳房のヘルペスの傷、結核、麻疹、敗血症などの感染症のための放射線療法や化学療法を受けており、母乳を通じて感染する可能性がある状況が含まれます13,14。お母さまの病状と母乳育児を続けるべきか中止すべきかということについて専門家の医学的意見を求めてください。



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参考文献

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4 Ho JCS et al. HAMLET–A protein-lipid complex with broad tumoricidal activity. Biochem Biophys Res Commun. 2017;482(3):454-458.

5 Hassiotou F et al. Maternal and infant infections stimulate a rapid leukocyte response in breastmilk. Clin Transl Immunology. 2013;2(4):e3.

6 Hassiotou F, Hartmann PE. At the dawn of a new discovery: the potential of breast milk stem cells. Adv Nutr. 2014;5(6):770-778.

7 Ladomenou F et al. Protective effect of exclusive breastfeeding against infections during infancy: a prospective study. Arch Dis Child. 2010;95(12):1004-1008.

8 Hanson LA. Breastfeeding provides passive and likely long-lasting active immunity. Ann Allergy Asthma Immunol. 1998;81(6):523-533.

9 Hale TW, Rowe HE. Medications and Mothers' Milk 2017. 17th ed. New York, USA: Springer Publishing Company; 2017. 1095 p.

10 Reece-Stremtan S et al. ABM Clinical Protocol# 15: Analgesia and anesthesia for the breastfeeding mother, Revised 2017. Breastfeed Med. 2017;12(9):500-506.

11 Datta P et al. Transfer of low dose aspirin into human milk. J Hum Lact. 2017;33(2):296-299.

12 Morello O. Safe in breastfeeding [Internet]. Italy: Orfeo Morello; 2016. Aspirin: Can I take aspirin while breastfeeding? [cited 2018 Apr 4]. Available from: https://www.safeinbreastfeeding.com/aspirin/

13 Lamounier JA et al. Recommendations for breastfeeding during maternal infections. J Pediatr (Rio J). 2004;80(5 Suppl):181-188.

14 Hema M et al., Management of newborn infant born to mother suffering from tuberculosis: Current recommendations & gaps in knowledge. Indian J Med Res. 2014;140(1):32-39.